僕は ハンノキを家具用材として製材されたものは見たことはありませんが、同じ扱いとされるアルダーと呼ばれる輸入材は使ったことがあります。製材された表情は桜のような木目で桜より柔らかな素材で扱いやすいです。
さて、その夜叉の実の活用法として煮出した汁を染料として使ったり、弱酸性を好む魚の水槽にいれたりされるそうです。
僕はもっぱら桐箪笥の仕上げ用染料として使っています。煮出した染料は柿渋のような濃い色合いになります。
煮出した染料が濃い色だからと言っても顔料と違って隠ぺい力が無いので、このまま桐材に塗っても大した着色力はありません。この染料に砥の粉(僕は黄色と白のブレンド)を混ぜて桐に擦り込みます。濃色だった染料よりも顔料である砥の粉の色に近い仕上がりに成ります。そういった結果を見ると、砥の粉の繋ぎとしては水でも構わないんじゃ?とも思えます。ではなぜ夜叉の実を煮出した染料を用いるのか?その理由の一つとして僕が思うのは、仕上がった桐箪笥は浴びる日差しによって若草色や浅黄色に表情を変えることがあるのですが、それが夜叉の実染料のチカラなのではないか?と思えるのです。
夜叉の実を煮出した染料は桐箪笥以外に和紙を古めかしく仕上げたり、根付の染めに使ったりするそうです。
備考:だし汁と同じで、最初に煮出した染料を一番夜叉・出がらしを煮出してとる染料を二番夜叉と呼ぶ。(当地だけ?)
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