2009年5月8日金曜日

板接ぎの話(あいばすり)

含水率の異なるタモ材

テーブルの天板など大きな板を作る時は 数枚の板を接ぎ合わせる事が有る訳ですが、これが中々厄介な作業と云いますか経験則を要する作業なんです。
木目の柄だったり密度や比重だったりと材料選びに苦労します。苦労するだけ選べる材料が潤沢に有れば良いのですが、限られた材料で加工しなきゃならない場合が多いのが僕の実情だったりします。

接ぎ合わせる板の木端面の中程を中心に 幾分 鉋で中低に削るんですが、どの位削るのか?によって製品にした後の暴れ方が左右します。
では、何故 中低に削るのか??木材って同じ条件下だと木口から水分が多く吸出されます。こと高断熱高気密化された近代の住宅では、水分が抜ける一方だと思います。木材は水分蒸発に伴い収縮しますので、木口に近い部分が痩せる事で木口の接ぎキレを防ぐのを目的にしています。

上の写真のように含水率に差がある時は特に気をつけます。一概には云えませんが、含水率が高い板の方をやや多めに削っています。また接ぎ枚数の多い少ないや小幅の板を接ぐ時などの加減は必要になってきます。

水分蒸発に伴い木表方向に反った桐材

板接ぎにおけるノウハウは他にも沢山あり、木材の乾燥に伴う木材の動きを予見したりと色々と職人泣かせな部分です。因みに木材は木裏(樹木の中心側)より木表(樹木の外側)に反るのは木表部分に多くの水分を含んでいて、その水分蒸発率の差に伴い収縮する為です。

う~ん、このエントリー記事を書いていて、自分の文章表現力の無さを一段と感じるのでありました・・・

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