2009年11月30日月曜日

小林式角ノミ


家具や建具製作に欠かせない木工機械に角ノミと呼ばれる機械があります。その角ノミの刃を製作している中橋製作所が今月の20日に閉じたとの情報が入ってきました。
とりあえず当方で常用しているサイズを発注しましたが、確実に入手出来るか保証できないと取引業者さんからの返事でした。
中橋製作所のHP及びネットショップは今日現在は運営しているようなので、製品は在庫限りなのかも知れません。

木工機械メーカーも閉めてしまった会社は数多く、そんな中 木工を営む者にとって改めて仕事を開拓してゆく難題を抱えるこの頃です。

2009年10月11日日曜日

久方ぶりの更新でしでかした事

ウェブログ用に保存していた画像が真っ黒け!なんとか見れるように加工しなおした写真です。
最近は気ぜわしくてウェブログの更新も疎かにしていました。

写真は、イベントの花魁道中で使う桐材で作った【高ポックリ】です。履物は初めて作りました。
歩くと良い音が鳴るように踵の部分を大きくえぐってあります。
イレギュラーな変わった仕事も楽しいですね。

2009年9月19日土曜日

小道具

木工の仕事をしていて小道具に助けられるシーンというのは結構ございます。
額縁などを多数製作する際に重宝するのが【SUN BAND】というPPテープを使用した締め付け具です。


こんな感じで軽く締め付けた後に保持具を差込み、増し締めしてから保持具の蝶ネジでPPバンドを固定します。後は締め付け具を緩めて外せばOK。

このウェブログをご覧になっている方で、他にも良い小道具を知っている方がいらっしゃいましたら教えてくださいませ。

2009年9月2日水曜日

NHK朝の顔

【時の鐘】

先日、納品するべく出向いた出張先近くの風景です。残したい日本の音風景百選に選ばれているそうです。
仮に【残したい日本の木工房百選】っていうのがあって、仮にぼくの処が選ばれていたら。。。人生が変わっていたかも??

2009年8月22日土曜日

鉋 裏だし

鉋の刃の裏だし風景です。裏押しといって、刃裏を作る作業の前に行う作業の事なんですが、切れ刃の地金の部分を刃裏に向かって槌で叩いて わずか裏面にせり出させる作業です。
職人さんは各々のやり方でこの作業をこなします。僕の場合は、金床の上に葉書を置き 刃先をちょっとだけとび出るように鉋刃を重ねて クランプで固定します。
叩き出す部分をマジックでマーキングした後、左手に持った小槌をマーキングした部位に当て 右手に持った金槌で小槌を叩いています。

この際に使う小槌の打面は、裏だし作業の姿勢になった時、刃先と水平になるような角度とマイナスドライバーのようなカタチに仕立てあります。

裏だし・裏押し作業を終えたら 刃を研ぎなおすわけですが、気をつけないと 裏だしの時に叩いた部分のバリが邪魔をして 刃先では無く四角で囲んだ部分を研ぎおろしてしまう事があります。上の写真は まさに悪い例で、このまま研ぎ進めてしまうと【あま切れ】といって 刃先の角度が適正角度より鋭角になってしまいます。

適正角度を意識しつつ研ぐと、裏だしで叩いた部位が凹んでいるので 刃先中央部に砥石が当たるように両端を研ぎおろしてから 切れ刃全体を研磨すれば、一連の作業が終わります。
因みに、冬場の凍てついた時に 裏だし作業を行う場合は、ぬるま湯に鉋刃を漬けてから作業したほうが無難です。

まとまりの無い文章でごめんなさい。

2009年8月21日金曜日

季節の移ろい

このブログをご覧の奇特な?皆様、ご無沙汰しています。
お盆のさなかも休みも無く、とは言え 周りが休みだと仕事に対する気力が若干落ち込みながらも、仕事に精をだしていました。
お盆を過ぎても暑い毎日が続いています。でも夜になると、コオロギの鳴く声に涼しさを覚え 真夜中にはタオルケットだけだと寒さに目を覚ましてしまうような日もあります。
山々の所々には、気の早い彩を纏った木々も見受けられる信州高山村でございます。

2009年8月14日金曜日

お花市

お盆ですね。盆入りの前日12日には、地元の桜塚観音で参拝者に桔梗などの盆花を配る【お花市】と呼ばれるお祭りがあります。同日、メインのお祭り会場とは場所を別にして、有志が集まりイベントを毎年執り行っています。
僕は毎年焼き鳥担当で、夕方から夜10時にかけて700本の焼き鳥を焼きました。他には、ジャガバタやカキ氷、焼き蕎麦なども販売。

歌舞音曲も楽しめました。当日、奈良から車を飛ばして駆けつけてくれた【歌垣】の吉田智江さんの優しい歌声をはじめ

サキソホーンの音色が夕闇に響き


子供たちのエキゾチックなダンスを楽しむ。そんなひと時を楽しんだ夜でした。

2009年8月10日月曜日

鉋 刃口埋めを考える

鉋台は、下端を調整し続けると刃口が広くなってしまいます。刃口が広いと木材の逆目が上手く止めることが出来ません。職人さん達は広がった刃口に埋め木をして道具として仕立てています。
上の写真の両端は、購入当初から刃口を更新できるよう埋め木が添えられた鉋台で、真ん中は自分で刃口を埋めた鉋台です。
永く使うには、右端のように木工用ボンドを薄く点付けして埋め木を固定したものが良いように感じます。
このような埋め木の固定方法の場合、刃口を更新する際は鑿で軽く固定部分を浮かしてから、木槌でたたいてやると外すことが出来ます。

ビスで埋め木を固定したものは、更新する時は楽なのですが鉋台が薄くなってくると2番目の写真のようにビスの先端や埋め木の座グリ加工した部分が現れてしまいます。
また、埋め木に用いる材はあまり濃色なものは避けたほうが好ましいと僕は思います。鉋刃の出具合を見るとき、刃口材が濃色だと確認しづらいのです。

話は変わりますが【鉋大全】という書籍を買いました。まだ全部を読んではいませんが、冒頭に【船弘】の鉋が紹介されています。
1枚目の写真の左端の鉋は10年以上前に注文して作っていただいた【船弘】の鉋です。購入当時の記憶ですが、【船弘】といえば鉋より鑿のほうがイメージは強かったと思います。
購入当初は、やたらと刃こぼれする鉋だなぁと思いましたが、研ぎ進めていくと調子が良く仕上がるようになりました。鉋台も併せて注文したのですが、僕の調整が下手なのか裏金を押さえる金棒の位置に不具合があります。裏金の耳を立てても裏金を押さえきれないので、簡易的に押さえ棒にテープを巻きつけて対応しています。だいぶ前の事ですが、この鉋を土田刃物店の土田昇氏に見ていただいた事がありまして、その際 土田氏が仰るには、「一度押さえ棒を抜いて、埋め木してから再度適正な位置に取り付けなおしたほうが良い」と云われたのですが、ナマグサな性格がたたって未だに実行していません。
道具の仕立て直しって、結構思い切りが良くないと出来ないのです。(あくまで僕の場合・・・)

2009年8月3日月曜日

漆屋さん

ちょっと野暮用で漆屋さんへと出かけていきました。
職種が違う仕事場を拝見するのは、非常に楽しいのは何故なんでしょう?

ごめんなさい。短文なつぶやきでした。

2009年7月29日水曜日

ギターの塗装

知り合いのギター弾きさんが、ギターの部分塗装の依頼にやってきました。
演奏者の手が汗ばんでくると、ネックという部位の裏側の塗装が粘ついてしまうという事で、ネックの再塗装を承りました。

お預かりしたのは【Gibson】のギターです。お話を聞くところ、中古で入手してから35年は経っているそうで、ヴィンテージの部類に入るギターなのかも知れません。
ギブソンといえばピンからキリまで塗装はラッカーという定石を持つメーカーと記憶しています。お預かりしたギターは全面に塗装の縮みやクラックが見受けられました。ラッカーは木材の収縮に追従できずクラックが入りやすい塗料です。でも縮みは何故発生したのでしょう?ひょっとしたら過去に古くなったラッカー塗装の上からポリウレタン塗料を施してあるのかも知れません(勝手な想像ですが)。試しに剥離する部分に洗浄用シンナー(ラッカー系)を垂らしてみましたが、塗膜には変化は見られませんでした。ラッカーなら柔らかくなるはずなのですが・・・


早速、古いネックの塗装をスクレーパーで落としてみました。ネックはマホガニーという木材でした。

在庫にラッカー塗料が無いのと、シンナーテストの結果を見てウレタン塗装を施す事にしました。
まずは下塗りを2回塗装しました。

2回の下塗りだけでは、古い塗膜との段差は消えませんでした。この後3回の中塗りをして、段差を含め塗りなおす部位を#400~のサンドペーパーでサンディング。
カラーイングと呼ばれる方法で着色した後、艶消しのクリアーを塗装して出来上がりです。

ネックの付け根の色が濃く、糸巻きがあるヘッドは色が薄く仕上げました。このようなグラデーションをギターの世界ではサンバーストと呼ぶそうです。

話は違いますが、バイオリンなどの弦楽器や高い音質を求めるオルゴールには、セラックニスという塗料が使われていますが、ギターはラッカーやウレタンが多いんですよね。なんでだろ??

どうか今回の塗り直しがギターサウンドに悪影響が無い事を祈るばかりです。

2009年7月27日月曜日

無題

梅雨明けから幾日が経過しましたが、雨ばかりの毎日です。
大雨で被災された方々にはお見舞い申し上げます。

雨に濡れた石段には、気の早い 色づいた落ち葉がちらほらと見受けられる信州高山村です。

2009年7月22日水曜日

長野から見る部分日食

普段から時事ネタには無頓着で、話題の部分日食も雲越しに観れたらラッキー程度に考えていました。

でも、何とか写真に収められないかと悪あがき。写真に収めるには偏光フィルターを複数枚重ねてレンズにセットするらしいのですが、僕はフィルターは持っていません。
とりあえず板ガラスに黒色のラッカースプレーで塗装して試してみましたが、顔料系なので完全に光を隠してしまい使い物になりません。
今度は、染料系の黒をウレタン塗料に混ぜて板ガラスの上に厚く流し込んでみました。今度はなんとか太陽光だけ透過しそうです。なんとか撮影出来るかなと思いパチリとシャッターをきってみましたが、散光してしまい太陽の欠けが解りません。無駄な悪あがきという顛末でございます。

でも、ちゃんと写真に収める事はできましたよ。
結局、水溜りに映りこんだ太陽を、フィルターを使わず撮影しただけなんですが・・・

信州高山村から観る部分日食です。

2009年7月16日木曜日

梅雨があけたもよう

ここ信州高山村も梅雨が明けたもようと発表がありました。昨日の日中温度は35℃まで上がり工房の周りの雑草も勢い良く育っています。
梅雨が明けたといっても、湿度は幾分下がるものの無風状態の室内では60パーセントはございます。
吸湿・乾燥に伴い鉋台も狂ってしまいますので、この時期は頻繁に鉋台を調整しなければ仕事になりません。頻繁に狂いを調整していると写真のように刃先の隙間が広くなって、上手く逆目をとめることが出来なくなってしまうので、刃口の更新もしないと・・・今日は刃口直しからスタートです。

2009年7月13日月曜日

先週末

なにかと気ぜわしくしていまして ウェブログの更新も一週間ぶりになってしまいました。
先週末は、仕事以外でなにかと忙しかったんです。

今年の冬に、信州は小布施(おぶせ)という町を舞台にしたドラマのロケ撮影があり、そのドラマの無料上映会を有志で企画し実行しました。僕もエキストラで参加したドラマだったのですが、小さな影の様な扱いでした。

ロケの際、俳優陣の賄いも担当していたのですが、お会いする俳優・女優さんたちは皆 美しく気さくな方々でした。

※ドラマ【戦力外通告】は、8月4日(火)午前10:00からWowWowで再放送。

2009年7月6日月曜日

音 それもカタチ

音をバランス良く重ね合わせ作品として人の耳に届ける。カタチは違えどモノづくりはバランスが大事。
短文な雑感日記でした。

2009年7月5日日曜日

ベルトサンダー

うちで使っているエッジベルト&スピンドル ドラムサンダーという機械。オシレーション機構で回転中のベルトが上下運動しますので研磨面の焼けを防ぐ事ができます。

スピンドルサンダーも3種類の外径から選んで使える優れものです。
この機械は10年程前に 取引先の機械屋さんが、協和機工という木工機械メーカーの営業さんと実機を引き連れてやってきて 「使ってみて感想を聞かしてよ」と言い残し そのまま置いていった機械です。モニターとして使っていいのかな?と思いつつも数日後には請求書も届いたので、購入扱いだったのかと現実を思い知らされた記憶があります。
必要な機械だったので、購入する事じたいは構わないんですが支払いは毎月少しずつで願い出ました。
この機械、台湾製で協和機工さんが輸入総販売元です。毛色の変わった木工機械もありますので、お暇があったらサイトを覗いてみてくださいませ。

2009年7月2日木曜日

文具フェチズム

ドイツの文具メーカー【LYRA(リラ)】が、 2009年の文具展示会Paper worldで発表したカラーストライプという名の色鉛筆に一目惚れ!!
おむすび型の断面を持つデザインと機能美が素敵なカタチで融合してると思います。
LYRA社 COLOR STRIPE

僕は文具に対して多少フェチズムを感じるようで、ファーバーカステル社やステッドラー社の筆記具を衝動買いした経験があります。
「木材に寸法線を書き込む時に使いやすそうだな~」などと自分に言い訳をしながら購入したのですが、実際にその場面になると買ったはずの筆記具が見当たらない。どこに仕舞ったか忘れてる。というお粗末な結果を多く経験しているので、一目惚れしたからといって決して買いません。欲しい気持ちがいっぱいですが、絵心のない僕には必要ないので多分買いません。商品のデザイン性を自分の仕事に活かせないか?なんて言い訳を既にしている僕だけど…   買ってしまいそう

2009年7月1日水曜日

簡易的けれども充分実用

最近、桐箪笥の洗濯(修理)であったりと桐材を扱った家具の仕事が多いです。
桐の家具は宇造り(うづくり・embossing)といって木材表面の木目だしを施す事が多いのですが、その木目だしにカヤの根やシュロなどを筒状にそろえて麻糸で固く縛った専用の道具を使います。でも僕のところは経費削減のため、手箒を短く切りそろえた道具で間に合わせています。素材は多分シダだと思います。楢などの硬い木の場合は、ホイールサンダーという電動工具やエアー工具を使ってるんですけど、桐のような柔らかな木材だったら充分に実用レベルです。
ホームセンターで90円で買った手箒・・・大活躍です。

2009年6月28日日曜日

湧き水?選

ウェブログ更新をちょっとサボり気味で申し訳ありません。

僕は信州の高山村で仕事をしていますが、あまりこの村の事は知りません。
という事で、ウェブログのネタ探しをかねて村内を散策しました。

すると、湧き水場を見つける事ができました。
生憎、梅雨時だというのに空梅雨気味で湧き水は出ていませんでした。近所のおじいさん曰く、この湧き水場の上方に用水があって、そこから溢れでた水が地中を通って流れてくるそうです。

そして湧き水場の全景。
想像するに、古くから湧き水場がここに存在し、後から土留め工事が行われたものだと思いますが、一風変わった風景に感動しました。

ご近所のおじいさんが、「ここにも湧き水があるよ」と指差す先にも別の湧き水場がありました。

解りづらいですが、杉の木に針金で固定された湧き水の文字。その下に塩ビパイプが・・・
今度、水が流れている頃を見計らって湧き水を味わいたいと思います。

※高山村は水中(みずなか)地籍の湧き水です。

2009年6月21日日曜日

小刀

うちで使っている刃渡り三寸の【小刀】です。僕の場合ですけど手道具の中では出番の少ないけど、無いと困る道具です。
小刀っていう道具は、比較的 刃先を多用するので動作をコントロールしやすいように刃元に指を添えて作業します。添えた指が切れないように刃元は切れを止めて使うのが一般的?なようです。


僕の場合ですけど、研いだ刃を刃元だけ丸くする作業が面倒くさいので、鞘を自作して作業しています。
手道具って各々の作業者の手先の延長であり意思を表現する道具です。同じ名称の道具であっても、百人百様のカタチや機能美があって不思議というか奥深いです。

2009年6月16日火曜日

キッチンプラン

キッチンのお仕事もやっています。
新築プランの際、奥様の意見がもっとも重要視される場所ですね。

木材を扱う人間が言うのもなんですが、カウンタートップは木じゃないほうが好きです。
仮に木材のカウンタートップにするなら、自然塗料と呼ばれるモノは避けたほうが良いと思います。

ちょっと時間が無いので・・・今日はおしまい。
続きは未定。  

2009年6月13日土曜日

Hand Clap


数年前に、某音楽大学のステージで初めて聴いたハンドクラップ。
拍手を含む打音で編成された楽曲に感動した事を思い出しました…

思い出すきっかけになったのがYou Tubeの動画でした。

ストーリーのある楽曲でノリノリになった気持ちのまま仕事を続けます。

2009年6月10日水曜日

入梅




「関東甲信越は梅雨入りしました」とラジヲからの情報。
本日の信州高山村は笹曇りのお天気です。工房の周りでは、葱坊主の蜜に有り付くアブや雨乞い中のアマガエル、幼虫を捕食する蜘蛛。 と各々の日常を過ごしています。

僕はというと、日常とはちょっと違う事務処理にてこずっています。
もう上半期のまとめの時期なんですね・・・

2009年6月8日月曜日

引き出し・抽斗・ひきだし

ここ数日仕事に集中していたので、このウェブログの更新は8日ぶりになりました。
写真は桐の文机(全景でなくてゴメンなさい)。施主様宅から伐採し、製材からアク抜きまで1年と数ヶ月の時を費やした桐材を使用しました。

この文机、抽斗が横並びで2杯ございます。半仕込み・半カブセといった抽斗の形状です。

「開いた抽斗を閉めると、他方の抽斗が開き始める。う~ん良い仕事をしているね」なんて神話じみたお話をされる方もいらっしゃいますが、単に
職人たちは開け閉めしやすいように空気の逃げ道を作っているだけの事だったりします。

僕も抽斗の開け閉めは基本的にガタが無く軽いのが好きなので、抽斗を閉めたときに圧送される空気を他方の抽斗に逃がすようにしていますが、他方の抽斗にモノを詰め込んだ状態の時などは思うように空気が逃げてくれず、開け閉めが重くなってしまいます。

裏板下部に施した空気穴(逆さ状態で撮影してます)

ですから、補助的に外部に空気を逃がす加工を施しておけば、実際に使用する段階でも極端に抽斗の開閉が重くなることはありません。
桐材の抽斗の場合、底板は通称?「ベタズリ」といって抽斗箱の下側から接着剤や木釘などを用いて圧着するのが一般的です。これは桐材が柔らかい為、下部に掛かる抵抗を分散させる目的だと理解しています。
当然、抽斗の開閉時に棚口とこすれる面積が大きくなるので、各部材の木目方向によっても開閉時の抵抗が変わってきます。

余談ですが、八分通しと呼ばれる桐箪笥や安価な桐箪笥を除いて、一般的な桐箪笥の側板や棚口などは正面から見た厚みのまま後ろまで(奥行き)とおして有る訳ではありません。正面から奥行き45ミリ~60ミリ程度は厚さを保ち、その奥は空気の逃げ場としての空間が確保されています。