2009年7月29日水曜日

ギターの塗装

知り合いのギター弾きさんが、ギターの部分塗装の依頼にやってきました。
演奏者の手が汗ばんでくると、ネックという部位の裏側の塗装が粘ついてしまうという事で、ネックの再塗装を承りました。

お預かりしたのは【Gibson】のギターです。お話を聞くところ、中古で入手してから35年は経っているそうで、ヴィンテージの部類に入るギターなのかも知れません。
ギブソンといえばピンからキリまで塗装はラッカーという定石を持つメーカーと記憶しています。お預かりしたギターは全面に塗装の縮みやクラックが見受けられました。ラッカーは木材の収縮に追従できずクラックが入りやすい塗料です。でも縮みは何故発生したのでしょう?ひょっとしたら過去に古くなったラッカー塗装の上からポリウレタン塗料を施してあるのかも知れません(勝手な想像ですが)。試しに剥離する部分に洗浄用シンナー(ラッカー系)を垂らしてみましたが、塗膜には変化は見られませんでした。ラッカーなら柔らかくなるはずなのですが・・・


早速、古いネックの塗装をスクレーパーで落としてみました。ネックはマホガニーという木材でした。

在庫にラッカー塗料が無いのと、シンナーテストの結果を見てウレタン塗装を施す事にしました。
まずは下塗りを2回塗装しました。

2回の下塗りだけでは、古い塗膜との段差は消えませんでした。この後3回の中塗りをして、段差を含め塗りなおす部位を#400~のサンドペーパーでサンディング。
カラーイングと呼ばれる方法で着色した後、艶消しのクリアーを塗装して出来上がりです。

ネックの付け根の色が濃く、糸巻きがあるヘッドは色が薄く仕上げました。このようなグラデーションをギターの世界ではサンバーストと呼ぶそうです。

話は違いますが、バイオリンなどの弦楽器や高い音質を求めるオルゴールには、セラックニスという塗料が使われていますが、ギターはラッカーやウレタンが多いんですよね。なんでだろ??

どうか今回の塗り直しがギターサウンドに悪影響が無い事を祈るばかりです。

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